退職金の税金が増える?岸田内閣「骨太の方針」による退職所得控除の見直しの影響は?

骨太

みなさんこんにちは、でぃーです。

ここ最近世間を騒がせている「骨太の方針」をみなさんは知っていますか?

岸田内閣が打ち出す「三位一体の労働市場改革の指針」により、「リスキリングによる能力向上支援」「企業の実態に応じた職務給の導入」「成長分野への労働移動の円滑化」の3本の柱を進めています。

それを実現するための財源確保策として「骨太の方針」がありますが、その中に「退職所得課税制度の見直しを行う」という文言があったのです。

そこで今回は、退職所得課税制度とはどういうものなのか、そして今後はどのように変わっていき、私たちにどのような影響を与えるのかを解説したいと思います。

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退職所得課税制度の概要

それではまず初めに、退職所得課税制度の概要を説明します。

退職所得に対しては給与のように所得税がかかりますが、給与と異なる税制優遇があります。
その税制優遇とは、退職所得に関しては退職所得控除という大きな控除があることです。
退職所得の計算式の求め方は以下の通りです。

退職所得控除額の計算式

勤続20年以下:40万円×勤続年数
勤続20年超 :800万円+70万円×(勤続年数-20年)

ご覧いただいてわかる通り、長く働けば働くほど控除額が大きくなり税制優遇されているのがわかります。
例えば、30年働いて退職金を受け取った人は、800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円の控除を受けることができるため、1,500万円以下の退職金であれば、所得税が全くかからないことになります。

この長く勤務すればするほど退職所得控除額が大きくなる制度が、成長分野への転職を阻害していると問題視されています。

今後、退職金の税金は増えるのか?その他への影響は?

退職金への税金は数年以内に増加することが想定される

まだ具体的な退職所得控除額の変更は発表されていませんが、今後退職所得控除額の計算式の変更が行われることは間違いないでしょう(もちろん悪い方向で)。

今の計算式から考えるに、大企業で終身雇用前提で勤務している方(退職金が数千万円になることが想定される方)が非常に大きな影響を受けると思われます。
逆に退職金が1,000万程度の方にはあまり大きな影響はないでしょう。(勤務年数にもよりますが)

iDeCoへの税金も増加することが想定される

退職所得控除額が変わることで大きな影響を受けるのは、退職金だけではなくiDeCo(個人型確定拠出年金)も同様です。

iDeCoは、①掛金が全額所得控除、②運用益が非課税、③受取時に税制優遇、といった3つの大きなメリットがあります。このメリットの中で、「受取時に税制優遇」に影響が心配されます。
iDeCoのメリット・デメリットは下記記事で解説していますのでご興味のある方はコチラをどうぞ。

iDeCoを一時金で受け取る場合、退職所得とみなされ、退職所得控除額の範囲内に収まれば非課税となっていました。今後退職所得控除額が減るようなことがあれば、iDeCoのメリットが大きく減ってしまう事でしょう。

退職所得控除が減ったからといって「iDeCo辞めたい!」とやめることができないのがiDeCoです。なぜなら、iDeCoは60歳まで原則引き出し不能だからです。
せっかく退職所得控除の税制優遇があるからiDeCoを始めたのに、「税制優遇無くなります&途中でやめるのは許しません」。こんなことになったら国民はたまったものではないでしょう。

まとめ:20~30代は退職金の恩恵を受けられない…?

いかがでしたでしょうか。

いつになるかわかりませんが、今後退職金の税制優遇は減少傾向もしくは消滅することもあり得ると思います。そう考えたときに、退職金をあてにして人生設計をすることは非常にリスキーでしょう。

特に20~30代の方々は今のような税制優遇は間違いないだろうと思われますので、今勤めている企業にすがるだけの計画は改めたほうがよいと思います。

ぜひ、1企業だけでなく、社会で通用するスキルを身に付け、国の増税に対抗できる人生設計を考えていきましょう。

以上、でぃーでした。

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